雷が鳴り嵐がやってきた。
真黒な空から雹や霰がばら撒かれ、 風がうなりながら葉を落とした木々にきしませる。
波は防波堤を乗り越え、砕かれたしぶきが人気無い漁港に吹き付ける。
「鰤起こし」である。
11月も終わるころ、能登は恐ろしいほど荒れ狂う天候に見舞われる。
漁師にとっては待ちに待った荒天だ。
鰤が富山湾に南下して、定置網には脂ののった「寒ブリ」が入る。
鰤が入れば能登島の漁師も活気にあふれる。
正月の鰤は縁起物として値が高くつく。
能登では娘の嫁入り先に鰤を送る風習がある。
いよいよ正月を迎える準備。
海と共に暮らす島の里海風景。
鎌村実・須原水紀
「海の自然資源を活用した生業創出」で意気投合した二人。 前人未踏の能登島をスクーバダイビングエリアとして開拓。 海の四季が堪能できる、癒しの水中散歩が好評。 大阪生まれのよそ者の視点と、七尾生まれのふるさと愛で新しい観光事業を展開。