のとじまん話

第十四話 2014.12.22

能登島の手作り「しめ飾り」

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しめ飾りは、お正月になると家の門や玄関に飾りますが、なぜ飾るのでしょう。
それは、家に「年神様」と言うお正月の神様をお迎えするためで、
年神様は新しい年を元気に過ごすための力を授けてくださると言われています。
しめ飾りの材料や形はその地方で違ってきますが、
能登島では、材料のほとんどが能登島で作られたものや自然にあるものを使い手作りしています。

正月近くになると、このしめ飾りを作るために大人も子供も集まり、
作る技術を子に伝えて新年を迎える準備をします。
今では教えられる人も少なくなりましたが、
今年もお婆さんから教わった女性が子供たちを集めて一緒に作っています。

藁は、稲の茎や葉を使い昔はお米がたくさん実ることが人々の願いでした。
藁を綯い縄を作ります。縄は左綯い右綯いがありますが、
しめ飾りは左綯いでほどけにくく強い縄ができ 強い思いがこめられていると言われています。
飾りのそれぞれの意味

扇...末広(外に向かって広がっていく。次第に繁栄、繁盛する)
ダイダイ...「代々」孫、子の代まで繁栄
ユズリハ...植物で新しい葉が成長して古い葉が落ちるので代々途切れることなく子孫に繁栄を譲っていくようにとの願い。
ウラジロ...葉の裏が白いため裏のない潔白な心を現す。
ホンダワラ...海の大漁、豊漁の願い。
ゴヘイ...神様がよりつく場所だと考えられてきた。

このように、しめ飾りには作ったひとの大切な気持ちがこめられています。
これからも新年を迎える心と技術を子供たちに伝えていきたいと思います。

しめ飾り.jpg



書いた人

えのめ荘

加地美紀

私が生まれて育った所、えのめ町。子供の頃は家のすぐ前は海、後は山があり、遊ぶと言ったら海と山でした。両親が民宿を始めて年月が経ち、歳をとり体力的に厳しくなり私が島に戻り経営に携わり、海や山を楽しみながらまた今、奮闘中です。