第三話 2014.02.03

もちかち

カテゴリ 食べる

かき餅20140130.JPG

「丸餅と角餅」

我が家のお雑煮は鰹だし、醤油の澄まし汁でゴボウと人参のささがきを入れたものに別茹でした紅白の丸餅を入れ紅白の蒲鉾、野セリ、花鰹を浮かべたシンプルなものです。もちろん角餅のお宅もありますが能登島は丸餅の方が多いみたいです。京文化の流れ受けていた事がお雑煮のお餅でもわかります。鏡餅の紅白重ねも日本全国皆同じだと思っていましたが、石川県、北陸地方だけの文化だそうです。

「もう一回、もちかち」

旧正月の時期にもお餅作りをします。腐らないと言われる寒の水を使ってのかき餅作りです。赤・黄・緑の色付きやピーナッツ・えんどう豆・干しエビ・刻み昆布・黒ゴマ・よもぎ・黒豆・ゆかり・粉末コーヒー・みかん等いろいろな混ぜ物をしたお餅ちです。たくさんの種類と量を作るので家族総出の作業になります。こども達も手伝いながら作業工程を学んでいました。現在ではガスを使ってセイロで蒸したり、餅つき機の利用でこども達が係わる事がなくなってきました。家族で作業しながら親から子へ伝える。

「ひま、かかるげん」

塩だけでなく砂糖も入れるので少し甘いお餅です。のし餅にしたり長方形の型に流して「ナマコ」にします。包丁や専用の押切で切るのですが、翌日だとまだ柔らかくて刃にくっついて切りにくくなります。硬くても切りにくく二日目頃を目安にしています。「ナマコ」を厚く切った物はそのまま焼いて食べます。薄く切ったものは藁や紐で編んで寒い室内に吊るし二ヶ月程干します。カビが生えない様にカラカラに乾燥させ保存します。低温の油で揚げると大きく広がり美味しくなります。

「待ってました」

かき餅を親戚や友人に送るのが年中行事になっています。あんなにたくさん作ったはずなのに届先が多いと一箱が小さくなってしまいます。本当はいっぱい作ってんよ、と独り言を言いながらの箱詰めですね。トースターで焼いて食べられるので生のかき餅の方を送っています。田舎・故郷の懐かしい味を皆さん心待ちにしている様です。我が家はお正月のお餅は作っていますが母が亡くなってからかき餅作りはお休みしていました。そろそろかき餅作り再開ですね。



書いた人

島宿せがわ

瀬川勇人・由美子・広倫

能登島で生まれ育ったとーちゃんと息子。かーちゃんも実家より能登島での暮らしが長くなりました。民宿は平成元年に始めました。息子で二代目です。(只今、お嫁さん募集中) たくさんの人々に会える事、お話し出来る事が楽しみです。